雨の後は、きっと虹がかかる
どうしよう。このままだと、本当に。
正面には、構えた彼女がいる。
「助け、求めないんだね。」
……ああ、分かった。
出ないんじゃなくて、私は出してはいけないんだ。
たぶん、これは死んだ両親からのギフトだ。
だったら、私は喜んで受け取ろう。
それが、私にとっての償いだから。
何をされてもいいと思うと、気持ちがすごく軽い。
もう何でもしてくれって思う。
それで私のした事が相殺されるなら。
上村さんはもう目の前に迫っている。
私の髪の毛をくしゃりと掴んで笑った。
「……なーんて」
……何?
「あんた、これ以上やられると死にそうだから。
あんたみたいなやつ、殺す価値もない。」