雨の後は、きっと虹がかかる


誰もいなくなった教室で、私は同じところにへたり込んでいた。


……本当に、見捨てられた。


両親を見捨てた事への報いだと思う。


子供にとって、これほど大きな罪はない。


火事が起きて、両親に逃げろって言われて本当に親を残して逃げていったから。


あの時は、自分が生き残ることしか考えていなかった。


なんて自己中心的で傲慢だったんだろう。


燃え尽きた家を見て、その時は助かってよかったと思った。


当然、両親も裏口からでも逃げたと思っていたから。


だけど、消防士の人が暗い顔をして焼け跡から出てきた時、違うと思った。


「……何が、あったんですか?」


「あなたは、この家の住人ですか?」


「……そうですけど。」


「あなたの両親らしき人が……」


……らしき?どういうこと?


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