雨の後は、きっと虹がかかる


「……両親と思われる2人の遺体が発見されました。」


……イタイ?


お父さんとお母さんが……?


……いたいって、あの遺体?


「……それ、間違いじゃないんですか?」


出た声は、普段の声とは違う弱々しい声だった。


……絶対、違うに決まっている。


どこかから、いつもみたいに「おかえり」ってお母さんが出てきてくれる。


休日になったら、またお父さんは釣りに行く。


「……残念ですが、事実です。」


「……嘘でしょう?

ねえ!助かっているに、決まっているでしょう……。」


なのに心は正直で、涙が溢れてくる。


「……今から病院に行くので、着いてきてください。」


まだ半信半疑の状態で、近くの消防車に乗せられて病院へ向かった。


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