雨の後は、きっと虹がかかる


苦しかったけれど、泣くことは絶対にしなかった。


私には、泣く資格なんてないから。


葬式の間も、親族達はみんな泣いていたけれど、それでも泣かなかった。


それを見た親戚のおばさんは、「取り乱さないでえらいね」なんて言ってくれたけれど、そんな聞こえのいい理由で泣いていないんじゃない。


本当は、誰よりも泣きたかった。


そして、私のやったことを全て話して許してもらいたかった。


学校に1週間して戻ると、みんなが心配してくれた。


「大丈夫だった?」

「出来ること、手伝うからね」


いろいろ声を掛けてくれたことは嬉しかった。


でも、それを素直に受け取ることは申し訳ない気がして、いつもどこかで言い訳をして逃げていた。





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