雨の後は、きっと虹がかかる


「以上。他に連絡がないなら、これでホームルームを終わります。」


先生が出ていった途端に教室が賑やかになった。


今日は始業式だから午前中だけで終わりだ。


私は何もないから、帰りの支度をして鞄を持った。


「ばいばい、陽」


「また明日、夏希」


廊下に固まっていた人達の中で、私の話題になっているのがわかる。


「今の子、誰?」とか「髪の毛茶色くない?」とか、いろいろ。


気付いていないふりをして、下駄箱に向かった。


私の髪の毛は、確かに目立つから本当のことだけれど。


染めてはいないから、別に怒られるなんてことはない。


でも、初対面の先生は、大体何か言うことが多い。


そして派手な格好をした先輩達も。


今年も気をつけないと。


空を見ると、まだ雨は止んでいなかった。


傘を差して、雨の中を帰った。


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