雨の後は、きっと虹がかかる
「……もう先生達帰っているじゃん。」
保健室に来たはいいけれど、肝心の先生がいなかった。
「でも鍵は開いているから、消毒くらいはやるよ。」
さすがにこのまま帰るのはすれ違う人達を怖がらせてしまうから、彼の言う通りにすることにした。
「ありがとう」
「あ、目を洗わないと消毒出来ねえから洗って。」
「うん。」
保健室の奥の方にある水道で、目を洗った。
思ったよりも血は出ていなかったけれど、若干ホラー映画みたいになっている。
鏡から顔を背けて、タオルで顔を拭いた。
後ろでは私が終わったことに気づいていないらしい。
声、掛けないといけないじゃん。
声を掛ける気分にならなくて、肩を叩いた。
「洗い終わったよ。」