無愛想な仮面の下
1.会社に仙人がいる
うちの会社には仙人がいる。
気難しくて無愛想。
それなのに仕事は仙人並みに出来る。
「試作・開発室には仙人がいるらしいよ。
ほら、ちょうどあの人。」
同期の清水沙羅に指差された先には会社に似つかわしくない風貌の男性。
「仙人って……あれじゃモジャ仙人だよ。」
「あはは。由莉、上手いこと言うね。」
だって彼の風貌はあんまりだ。
髪はボサボサで顔の大半を隠しているし、大きな黒縁のお洒落とは言い難い眼鏡をしていて顔の印象はほぼ髪と眼鏡。
私、浜島由莉が最初に仙人こと佐久間悠斗に感じた印象は確かに仙人みたいな世捨て人。
けれどそのモジャ仙人がまさか私が喉から手が出るほど欲しい企画書の採用を企画部でないにも関わらず勝ち得ているとは……。
気難しくて無愛想。
それなのに仕事は仙人並みに出来る。
「試作・開発室には仙人がいるらしいよ。
ほら、ちょうどあの人。」
同期の清水沙羅に指差された先には会社に似つかわしくない風貌の男性。
「仙人って……あれじゃモジャ仙人だよ。」
「あはは。由莉、上手いこと言うね。」
だって彼の風貌はあんまりだ。
髪はボサボサで顔の大半を隠しているし、大きな黒縁のお洒落とは言い難い眼鏡をしていて顔の印象はほぼ髪と眼鏡。
私、浜島由莉が最初に仙人こと佐久間悠斗に感じた印象は確かに仙人みたいな世捨て人。
けれどそのモジャ仙人がまさか私が喉から手が出るほど欲しい企画書の採用を企画部でないにも関わらず勝ち得ているとは……。
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