無愛想な仮面の下
 鍵の開いた音が響いてひとすじの光が眩く瞬いた。

 霞んで見えない光の中で佐久間さんと守衛さんらしき人が話している。

「すまんかったの。佐久ちゃん。」

「頼みますよ。
 閉められちゃかないません。」

「佐久ちゃんなら大丈夫だから鍵を取りに来なっていつも言っとるじゃろ。」

「あー。次はそうします。」

 親しげに話す2人を珍しそうに小さくなって隠れながら眺めた。

 噂になっても困るし。
 噂にって…どんな噂よ。

 1人グルグルさせて頭を抱え込んだ。





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