無愛想な仮面の下
 再び辺りが静けさをまとった。

 帰った…のかな。
 何も言わずに。

 恐る恐る扉の方へ足を向けると扉は開かれたままだった。
 誰の気配も感じない。

 急いで支度をして、扉を閉めた。
 扉には鍵が挿したままで、その鍵に走り書きが貼られていた。

『明日、試作室まで届けること』

 息を吐いてから鍵を回した。

 今はただ帰りたかった。






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