無愛想な仮面の下
このところ佐久間さんを目で追っている自分に気づく。
神出鬼没な人だから滅多に見かけることもないのに、たまたま見つけた時は目で追ってしまう。
大概は気怠げでモジャモジャ頭で、生気ゼロは変わらない。
それでも、さり気なく前から来る人とぶつからないように避けている場面を目撃することもあった。
イメージとかけ離れた細やかな優しさを垣間見た気がして新しい発見をした気分でいた。
「由莉はおめでたいなぁ。
そんなのぶつかったら面倒なだけでしょ。」
沙羅はいつだって冷静に私の意見を分析する。
「それはそうかもしれないけど。
話に夢中な人が歩いて来て、避けてあげようとか、なんか優しくない?」
「だから、別に。」
他にも人が落とした物をその人に気づかれないように元に戻したところも見たことがある。
そういうの全部を「面倒くさいからでしょ?」で片付けられてしまう。
まぁ面倒くさいからが、彼にピッタリするイメージなんだけどさ。
神出鬼没な人だから滅多に見かけることもないのに、たまたま見つけた時は目で追ってしまう。
大概は気怠げでモジャモジャ頭で、生気ゼロは変わらない。
それでも、さり気なく前から来る人とぶつからないように避けている場面を目撃することもあった。
イメージとかけ離れた細やかな優しさを垣間見た気がして新しい発見をした気分でいた。
「由莉はおめでたいなぁ。
そんなのぶつかったら面倒なだけでしょ。」
沙羅はいつだって冷静に私の意見を分析する。
「それはそうかもしれないけど。
話に夢中な人が歩いて来て、避けてあげようとか、なんか優しくない?」
「だから、別に。」
他にも人が落とした物をその人に気づかれないように元に戻したところも見たことがある。
そういうの全部を「面倒くさいからでしょ?」で片付けられてしまう。
まぁ面倒くさいからが、彼にピッタリするイメージなんだけどさ。