イケメン悪魔とツンデレ美女、ひとつ屋根の下で


「さいってい...」


もう...ほんと涙出てきた。


雫が布団に丸い染みを作った。


暁はわたしのことを、“女”としてなんてこれっぽっちも見てくれていない。


そのはっきりと判明した事実が、わたしの胸に深く突き刺さった。


裸を見られたことよりも、その言葉のほうが、よっぽどショックだった。


こんなことになるなら、わたしはやっぱり別のところに泊まればよかった。


わたしの腕をつかむ暁の手なんて、振りほどいてやればよかった...。


「っ...そんな言い方しなくてもいいじゃん!ほんっとデリカシーない...!」


今日一日、すごく楽しかったのに。


「着替えるから出てってよ!!今すぐ!!」


どうしてこうなっちゃうんだろう...。


わたしと暁は、どうしていつもこんなふうに言い合いになっちゃうんだろう......。


喧嘩したいわけじゃ、ないのに......。

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