イケメン悪魔とツンデレ美女、ひとつ屋根の下で


「ありがとな。

すっげー...うれしい」


暁のささやくような言葉が耳に注がれて、わたしの鼓膜を震わせる。


「あ、き...?......っ」


わたし...


暁に抱き締められてる?


たしかにプレゼントを喜んでもらえたのはよかったけど...


どうして、抱き締めるの?


暁のお風呂上がりの香りがこれでもかっていうくらい胸いっぱいに広がって、頭がクラクラしてくる。


自分の鼓動と体温が上昇してくるのを自覚した。


「...嫌なら振りほどけば」


口ではそう言うのに、

まるで逃がさないかのように後頭部に手のひらを回してぎゅう...っとしてくる。


「...っ」


......そんな優しく抱き締められたら、

...嫌なわけがない。


むしろ、自分の紛れもなく速い鼓動がばれてしまうほうがよっぽど嫌だった。


言い逃れできないほど、まちがいなく、暁にドキドキしてる。

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