イケメン悪魔とツンデレ美女、ひとつ屋根の下で
Part4
素直になればいいのに
暁の誕生日から一週間が経ち、6月に入った。
この地方はちょうど梅雨入りしたらしい。
同居をはじめてから約2ヶ月が経過した。
「葵ちゃん?なんか今日元気ないね」
お昼休み。
わたしは心配になってそう尋ねた。
朝話しかけても考え事をしている様子だったし、
今お弁当を食べている最中も、なんだか上の空だ。
いつもニコニコしているから、今までこんな葵ちゃん見たことなかった。
いったいどうしたんだろう...。
「なんかあったの...?」
わたしの投げ掛けに、葵ちゃんはミートボールをゴクンと飲み込んで小さなため息をつき、ゆっくりと口を開いた。
「実は...カイくんと一昨日喧嘩しちゃって」
言葉に出すと、よりいっそう泣きそうな顔になった。
カイくんとは、葵ちゃんの彼氏だ。
中3のころから付き合っているらしい。