イケメン悪魔とツンデレ美女、ひとつ屋根の下で
「それって、葵ちゃん悪くないよね...!?」
話を聞いたわたしの第一声はこれだった。
なんで葵ちゃんが責められなければいけないのだろう。
100%その男子高校生がわるいのに。
きっと、葵ちゃんがめちゃくちゃ可愛いから我慢できなくなったのだろう。
「うん、だけど...あたしももう少し警戒するべきだったのかも...」
なんて、葵ちゃんは自分を責める。
どれだけ心の澄んだ子なんだ。
「はやく誤解とかないと、カイくんますます勘違いするかもしれないよ」
カイくんがそんなふうに怒ったってことは、もしかしたらカイくんにしゃべったその友達、葵ちゃんが浮気してるという言い方をしたのかもしれない。
もしそうなら、冗談半分で言ったんだとしても、その友達許せないよ。
「そうなんだけど...カイくんがあんなふうに怒ったり口を聞いてくれなくなったの初めてで、怖くて連絡とれなくて...」
もうその瞳には涙が浮かんでいる。
「そっか、そうだよね...」
だけど、カイくんがそれほど怒ったってことは、それくらい葵ちゃんのことが好きだって証拠だよね。
葵ちゃん、自信もって堂々と誤解をといたらいいのに......ほかの人から見たらそう思うけど、ーー実際はなかなか思い通りに行動できないのが“恋愛”というもの。
わたしもそれをよく知っていた。