イケメン悪魔とツンデレ美女、ひとつ屋根の下で
「な、なんで迷いもなくたどり着けるの」
10分もせずに到着した我が家があるアパート。
わたし、コンビニに入るまで1時間くらいは歩いたはずなんだけど。
まさか、家出さえも同じところをグルグル回ってたなんて...笑えない。
ま、まあ、ここに引っ越してきてまだ1週間しか経ってないし、覚えてないのも無理はないよね!?
だから、わたしは方向音痴なんかじゃないはず!!
でも暁は、この町に初めて来たはずなのに、こんなにもすんなりアパートに到着したのだ。
「俺は、お前と違って一回通った道くらい覚えてんだよ」
「い、いちいち腹立つこと言わないで!さっさと開けてよ!」
暁が持っているわたしの家の鍵。
いつも玄関を入った横の棚の上に鍵を置いているから、そこから取ったのだろう。