イケメン悪魔とツンデレ美女、ひとつ屋根の下で


かけられたというよりは、つぶやきといったほうが正しいだろうか。


この声って.........。


その声は忘れもしない人のものだったけど、

そんなこと、あるわけーー


「......!?!?」


わたしは振り返り、

驚きすぎて、言葉が出なかった。


ただ、目を丸くしたまま硬直することしかできない。


「彩...だよな?」


長年会っていないわけじゃないから、容姿が変わっているわけはないのに、その人は信じられないかのようにそう確認した。


「ゆ...う...くん」


わたしも思わず言葉に出す。


草原夕(くさはらゆう)。


それが彼の名前。


わたしが......


中2の9月から一年間付き合っていた相手。


今でも忘れられない人......。

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