イケメン悪魔とツンデレ美女、ひとつ屋根の下で
夕くんは思い出すようにこう言った。
「**遊園地にリトスタのカップル限定のライブ、ふたりで行ってたじゃん。雑誌に載ってるの、見たよ」
「!?」
あのときわたしと暁は、ステージにのぼってリトスタのふたりと写真を撮った。
そのシーンが、なにかの雑誌に載っていたのであろう。
たしかに、そんなのだれが見たって付き合ってると勘違いするよね...。
「ちがうの!
暁は幼なじみで、カップルのふりして無理に来てもらっただけなの!」
暁と付き合ってるなんて、夕くんだけには絶対誤解されたくないよ。
「...ほんとに?」
まだ、疑っている様子。
「ほんとだよ」
わたしがそう押すと、夕くんは少しだけ納得した様子になった。
「それじゃあ...彩は、久隆のこと恋愛として見てないってこと?」
彼のそんな質問に、わたしは大きくうなずく。
暁を好きなんて、ありえないよ。
......ありえない...んだから。