イケメン悪魔とツンデレ美女、ひとつ屋根の下で
「彩...」
恥ずかしくて、夕くんの顔が見れない。
別れを告げたわたしに、こんなこと言う資格、ないのに...。
「...彩ともっと話したいけど、電車間に合わなくなるから...もう行くね」
名残惜しそうに言った。
「...う、うん」
はやいお別れだ。
「ねえ彩。今彼氏いないなら...俺にも希望はあるってことだよね?」
「え...っ」
それって...。
「久隆に俺の携帯番号聞いといて」
「暁に...?」
「待ってる!」
夕くんは最後にニコッと爽やかな笑みをわたしに向けて、駅へ走って行ってしまった。
バニラアイスは、
とっくにトロトロに溶けてしまっていた。