イケメン悪魔とツンデレ美女、ひとつ屋根の下で


わたしは、夕くんと中学2年ではじめて同じクラスになって、はじめて彼の存在を知った。


夕くんは、わたしの名前と顔くらいは知っていた、とあとから言っていた。


わたしが夕くんと関わることになったのは、夏休みあけの2学期初日に行われた席替えで隣の席になったから。


わたしは男子から怖がられていたから、今まで話しかけられることなんてなかったのに、夕くんは迷いもなくわたしに毎日笑顔で話しかけてくれた。


最初は戸惑ったわたしだったけど、少しずつ、彼に心を開いていった。


単純かもしれないけど、優しい夕くんに惹かれていった。


2学期最初の行事の運動会で、2年生は男女二人組でフォースダンスを踊るプログラムがあった。


男女二人組は各クラス自由に作れるというもので、

わたしは真っ先に夕くんとしたいと思った。


想いが通じたみたいに、夕くんも真っ先にわたしを選んでくれた。


このときにはもう彼のことを好きになっていた。

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