イケメン悪魔とツンデレ美女、ひとつ屋根の下で
そして緊張しながらもフォースダンスの練習をして、
より一層夕くんとの距離が縮まった。
だけど、告白する勇気なんてあるわけない。
夕くんは誰にでも優しくて爽やかで、クラスでも人気な男子だったから、
わたしみたいな可愛いげのない人見知りなデカ女とは釣り合わない。
そう思っていた。
だけど...運動会が終わったその日。
夕くんはわたしに好きだと、付き合ってほしいと、告白してくれたんだ。
もちろん返事は“はい”。
それからわたしたちは彼氏彼女になった。
毎日がハッピーで、キラキラで、ドキドキで。
初めての彼氏に慣れないことばかりだったけど、
夕くんはいつもわたしが素直になれるように引き出してくれた。
こんなに人を好きになれるんだ。
それくらい、彼のことが好きだった。
あとから聞くと、夕くんは、
わたしがあまり話したことがない友達と話していると緊張していたり、うれしいことを言われるとそのときはクールに交わしているけどあとから喜んでいたり、自分から話しかけたいのに話しかけ損ねてしまったり...
そんなわたしを見かけてから、一学期のころからずっとわたしのことを気にかけてくれていたらしい。
“そういうところが、ずっと可愛いなって思ってた”
そんなふうに言われた日には、にやけが止まらなかった。
夕くんはわたしの一番の理解者だった。