イケメン悪魔とツンデレ美女、ひとつ屋根の下で


わたしたちは付き合っていることをだれにも言わず内緒にしていた。


理由は恥ずかしいから。


わたしがそう言うと、夕くんも了承してくれた。


だからわたしたちは教室ではクラスメイトとして話して、

放課後公園で待ち合わせしておしゃべりしたり、

土日にたまにデートもした。


日に日に夕くんのことを好きになっていって、このまま時が止まればいいのに。


ふたりで綺麗すぎる星空を眺めて、そんなことを思ったこともある。


たまにすれ違ったり喧嘩することもあったけど、

夕くんと過ごした日々は今でもひとつひとつがかけがえのない瞬間だったと思う。


ーーだけどわたしたちは、ちょうど付き合って一年記念日になる、3年生の運動会の、前日に別れた......。

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