イケメン悪魔とツンデレ美女、ひとつ屋根の下で
わたしたちは放課後ショッピングモールのフードコートへ行って話をした。
夕くんと別れるきっかけは、決して普通科とか国際科とか、そんな相談ではなくて、このあとに話したことだ。
相談のあと話は変わって、カナエちゃんはこう打ち明けてくれた。
『私...、実は同じクラスの草原夕くんのことが好きなの。運動会で告白しようと思ってる』
前々からカナエちゃんが好きな人がいることは知っていた。
でも秘密!と言われていて。
やっと打ち明けてくれてくれて喜ぶはずだったのに......
カナエちゃんの好きな人は......わたしの彼氏だった。
そんなこと、言えるわけなくて。
わたしの心は一瞬にして雲がかかった。
あのとき、うまく笑えてたかな。
わたしは怖かった。
カナエちゃんに嫌われるのが。
人見知りなわたしは、こんな放課後にショッピングモールに立ち寄る友達なんて初めてで。
知られたくなかった。
わたしと夕くんが付き合っていること。
口が避けても言えなかった。
わたしは、大好きな夕くんではなく、
自分のための友達を選んだのだ......。