イケメン悪魔とツンデレ美女、ひとつ屋根の下で


「アイツの番号なんて、持ってねぇよ」


暁は冷たくそう言い放って、


「つーかお前...俺にそんなこと聞いてくるとか、意外に度胸あんだな?」


なんて含みのある言い方をしてきた。


なんでそんな言い方...。


「ゆ、夕くんが...暁に聞いてって言ってたから、知ってるのかと思った」


暁のこと、かっこいいとか足も飛び抜けて速いとか言ってたし...ふつうに友達なのかと思った。


「アイツ...上等じゃねぇか」


暁が机に向かってつぶやいた言葉は、わたしの耳には届かなかった。


「し、知らないならいい...!」


夕くんはどうして暁に聞いてなんて言ったのだろう。


連絡先を交換したときがあったのかな。


でも、暁は知らないって言ってるし...。


大人しく部屋をあとにしようとした、そのとき。

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