イケメン悪魔とツンデレ美女、ひとつ屋根の下で
「彩ちゃんは...どっちが好きなの?」
直球に質問され、わたしは目線を下げて黙りこんでしまった。
正直、最低かもしれないけど......どちらかなんて、選べない。
両方大切な人だから......。
「草原くんとは、あれから会ってないんだよね?」
「う、うん...」
「それなら、まず、草原くんに会いに行って自分の気持ち確かめないといけないんじゃない...?」
葵ちゃんの言うとおりだ。
わたしはまだ、夕くんとちゃんと話せていない。
あのときのことも、ちゃんと謝りたい。
「でも、夕くんの部活が終わるのを待ってたら、暁にも会っちゃう...」
そんなの、さすがに気まずすぎる...というか、暁のことをまた傷つけてしまう...。
「それなら、あたしの友達に男子高の体育科の人いるから、草原くんの連絡先聞いてもらおうか?」
そんな親切なことを言ってくれる葵ちゃん。
「そうしてもらってもいい...?」
「うん」
葵ちゃんは優しくうなずいてくれた。
自分のことなのに、自分の気持ちがわからないなんて...わたしはほんとに馬鹿だ。
自分のことがとてつもなく嫌になった。