イケメン悪魔とツンデレ美女、ひとつ屋根の下で


その日の放課後。


わたしはいつも通りまっすぐに家に帰っていた。


今は、暁が帰ってくる前に夜ご飯を一人で食べている。


前までは、暁が部活から帰ってくるまで待っていたのに。


ふたりでテレビを見ながら楽しく過ごしていたのに...。


「...彩」


正門を出たところで、わたしは横からだれかに声をかけられた。


「ゆ...!夕くん...!」


わたしは心臓が飛び出してしまいそうだった。


自分の目がおかしいのかと思った。


だけど、今たしかに目の前に立っているのはーーあの、夕くんで。


この前会ったときはジャージ姿だったけど、今回は制服で、もちろんそれも暁と同じもので、改めて暁と同じ高校なんだと思い知らされた。

< 167 / 198 >

この作品をシェア

pagetop