イケメン悪魔とツンデレ美女、ひとつ屋根の下で
宣戦布告...まさか、そんな意味があったなんて。
...だから、暁はあんなふうに......。
「て、敵視って...、なにもされてない?」
「うん、べつになにも。
ただ、俺のこと気に入らないって雰囲気をかもし出してる」
暁、そんなあからさまに...。
「ごめんね」
宣戦布告したのは夕くんのほうかもしれないけど、そんなことされたら、嫌だよね。
「彩が謝ることじゃないよ」
夕くんはいつだって優しくて爽やかで穏やかで。
でも、あのときわたしが傷つけたことは、紛れもない事実。
わたしが別れを告げたあのときの夕くんのショックを受けた顔は今でも忘れられなくて、胸が締め付けられる...。
謝るなら今だ。
早い方がいい。
「あの、夕くん」
「うん?」
夕くんは今、とても優しい表情をしている。
それでも...声が震えそうになった。
「...あのときは、夕くんの気持ちを裏切るようなことして、ほんとにごめんなさい......。ずっと、謝りたかった......」
わたしは彼の目を見て告げて、申し訳ない気持ちでいっぱいになりながら頭を下げた。