イケメン悪魔とツンデレ美女、ひとつ屋根の下で


「...じゃあ、今ここで、俺が許さない、て言ったらどうするの?」


なんて少しだけ瞳を黒く光らせた夕くん。


「そう言ったら、俺とやり直してくれるの?」


ほんの少しだけ強引な言い方をする彼に、わたしは目を泳がせた。


「そ、それは......」


思わず口ごもった。


「ほら、そうなるでしょ?

だから、謝らないで」


そっか...一度許すって言うのは、夕くんのやり方なんだ。


もしかして...わたしと一からやり直したいという意味なのかもしれない...。


自意識過剰かもしれないけど、そんなふうに思えた。


「......うん。

ありがとう...夕くん」


夕くんはどこまでも優しい。


優しすぎるよ...。


その優しさに甘えてしまってしまって、

ほんとにごめんね......。

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