イケメン悪魔とツンデレ美女、ひとつ屋根の下で
「...分かった?
彩と久隆が、遊園地に行った日だよ。通常第3土曜日は部活が休みだけど、その日は選手決めのために特別に部活があったんだよ」
彼の説明に、わたしは言葉を失った。
うそ...。
暁は、そんなこと一言も言ってなかったのに...。
一年生で唯一ひとりだけ大会に出られるチャンスがあったのに、
なにも言わずわたしを優先してくれたってこと......?
「...俺がこの前、久隆は彩のこと大切に思ってるって言ったのはそれが理由。大会は出られなくなったし、大切な選手決めを休むなんて、監督に後から怒られていたしね」
「そう...だったんだ...」
暁はあの日どんな気持ちだった?
わたしを優先させたとしても、選手決めのことがどうでもよかったわけじゃないよね?
監督に怒られることも分っていたはずなのに。
それなのに...。
それでも、わたしのことをーー。