イケメン悪魔とツンデレ美女、ひとつ屋根の下で


「黒い水筒...?」


そんなのあったっけ...?


疑問が浮かぶ。


暁はいつも青い水筒を使っているのだ。


「俺の部屋にねえし、お前がどっかにしまったんだろ。青い水筒壊れたんだよ」


な、なるほど、そういうことか...。


今日に限って話しかけられたから、余計になんの用だろうと思ってしまった。


暁がわたしのことを見てる。


それだけで全身が焦げるくらい熱くなった。


「さ、探すね」


わたしは食卓のイスをキッチンに持っていって、その上に乗り、慌てて上の棚を探し始めた。


わたしの部屋に持っていくわけはないし、しまうとしたら、ここだ。


ここにはない、こっちにもない。


そして最後の棚を開けてみた。


あ!あった!!


たしかに黒い水筒をここに入れたような気もする。

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