イケメン悪魔とツンデレ美女、ひとつ屋根の下で


「ッ!!」


そんな暁の存在に驚いて思わずのけぞった。


のけぞったはいいけど、突然のヤツの登場に頭が真っ白になって、ここがイスの上ということを忘れていた。


足元の範囲の狭いイスの上でバランスを崩したわたしはーー


「っきゃ!!」


「っ!おい!」


ドサーー


...あれ?


床に落っこちたはずだったのに、まったく衝撃を感じなかった。


なぜなら...衝撃はすべて暁に吸収されたから。


「ってぇ......」


暁はわたしを包むようにして、そのまま床に倒れ込んだんだ。


「ご、ご、ごめん暁...っ!!」


わたし、どんくさすぎるよ...。


自分の間抜けさに嫌気がさしつつ、暁の温もりがじわじわ広がって体温がぐんと上がり、胸がドキドキと音をたてた。

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