イケメン悪魔とツンデレ美女、ひとつ屋根の下で


素直にならなきゃ。


わたしの気持ち、伝えなきゃ。


わたしの本心。


それはーー。


わたしは暁の袖を引っ張って、すぐそばにある木の影にふたりで隠れるようした。


「耳、かして...」


声が震えそうになりながら小さく小さくつぶやいたけど、

暁にはちゃんと聞こえたようで、腰を少しかがめてわたしのほうへ耳を傾けてくれた。


「あのね......」


わたしは暁の耳元に寄せた唇を、

すぐそばにある頬に移動させて、ゆっくりとチュッ...と口付けたーー。


そっと唇を離すと、少しだけ目を丸くさせた暁と目が合う。


ねえ暁...わたしの気持ち、伝わった...?


じっと暁を見つめる。


もうその瞳に、吸い込まれてしまいたいとさえ思った。


暁は優しくふっと笑って。


「“そっち”じゃなくて“ここ”にしてほしいんだけど」なんてわざとらしく言った。


“そっち”のときは頬を指でトントンとして、“ここ”のときは口元をトントンとしながら。

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