イケメン悪魔とツンデレ美女､ひとつ屋根の下で

「俺と離れても、平気なんだな」


そんな言葉が後ろの方から飛び交った。


わたしは思わずぎゅっと唇に力を入れた。


...平気なわけ、ないじゃん。


だけど...暁は平気、なんでしょ？


だったら我慢するしかないじゃん...。


「ま、まあ、もともと一人で暮らすはずだったし！これを機にご飯も自分で作ーー」


意地を張ってつらつらと強がりの言葉を並べていると、暁が隣に座ってきて、驚いて絶句すると同時に、心臓がドキン！と大きく波打った。


このソファはひとり用だから、とてもせまくて暁と体が密着してしまうのだ。


「ちょっ...いきなりなに！？」


「お前がなんなんだよ」


めんどくさそうにつぶやくと、急いで立ち上がったわたしの腰をつかんで糸も簡単に自分の足の間に座らせた。


逃げる隙なんて与えないように腕が後ろからわたしのお腹に回ってきて、ギューッと抱き締められた。


それだけでもう心拍数があり得ないくらいに速くなるんだ。