イケメン悪魔とツンデレ美女、ひとつ屋根の下で
「わあっ、超美人さん!!モデルかと思った!!」
わたしが思ったこととほぼ同じことを言ったその子。
喜びたいけど、あなたとはジャンルが違いすぎる!!
「お、おでこ大丈夫...?」
わたしは勇気を出してそう尋ねてみる。
「うんっ、全然平気ぃ~!!」
“っ”といい“ぃ”といい、なにこの子、しゃべり方も声も可愛すぎるんだけど。
生まれ変わるならこんな天使みたいな子になりたい...。
「あたし、松野葵(まつのあおい)。よろしくねっ!」
思わず見とれてしまっていると、自己紹介してくれた。
天使ガールの名前は葵ちゃんと言うらしい。
「わ、わたしは...成瀬彩」
うう、緊張で声が小さくなっちゃう...。
「彩ちゃんねっ!やったあ、友達第1号だぁ~!!」
と、友達!?
わたしたち、もう友達なの!?
驚いて反応できない。
「ねえねえ、一緒にクラス表見に行こっ?」
葵ちゃんはそう言って固まるわたしの腕を軽く引っ張った。
「う...うん!」
わたしはうなずいて葵ちゃんと一緒にクラス表が貼ってある下駄箱へと足を進めた。