イケメン悪魔とツンデレ美女、ひとつ屋根の下で
入学式が終わり、あとはホームルームだけ。
先生が来るまでの時間、クラスはガヤガヤとにぎわっている。
葵ちゃんがわたしの席に来てくれておしゃべりしているけど、もし葵ちゃんがいなかったらわたし今ごろ一人だっただろうな。
そう思うと、葵ちゃんには感謝しかない。
わたし、運がよすぎるよ。
そして葵ちゃんほんと天使すぎる。
「...え、じゃあ彩ちゃんって一人暮らししてるのっ?」
実家が車で三時間かかるという会話をしていると、葵ちゃんがひらめいたようにそう尋ねてきた。
「うん、そうそう」
ほんとは二人暮らしだけど...そこまでまだ言わなくていいよね。
それに、幼なじみだろうと一応男だし、なんか言いづらい。
そう思って、今は隠すことにした。
「一人暮らしいいな~!憧れる!!ねえねえ、今日の放課後遊びに行ってもいいっ??」
「!?!?」
キラッキラな瞳で訴えてくる葵ちゃんに、わたしはうろたえる。