イケメン悪魔とツンデレ美女、ひとつ屋根の下で
「アパートなんだあ。屋根が赤色で可愛いねっ」
到着して、葵ちゃんはキュルンとした瞳でアパートを見渡した。
葵ちゃん、もうきみが言うことが全部可愛いよ。
わたしなんて、屋根が赤色なことにまったくこだわりはなかったよ。
葵ちゃんともっと仲良くなったら、どうしたらそんな可愛くなれるのか教わろう。
わたしはそんなことを考えながら家の鍵をガチャリと開けた。
「...あ」
玄関に入った瞬間に気づいた。
暁、もう帰ってきてる。
暁のが学校を出るのが早かったのか、わたしたちがケーキ屋さんに寄っているあいだに帰ったのか。
どちらにせよ、できれば後から帰ってほしかった。なんとなく。
でも暁には“友達呼ぶから部屋にいて”ってメールしたからまあいいか。