イケメン悪魔とツンデレ美女、ひとつ屋根の下で
「リトスタ?」
暁の箸が止まる。
「littlestars(リトルスターズ)よ、知らないの!?」
「んー、名前しか」
「ありえない!人気なのに!!」
リトスタは男女二人組の歌手で、一昨年デビューしたんだ。
そのデビュー曲がわたしはすごく気に入って、それから出す曲全部はまってずっとファンなのだ。
「それで?」
見透かしたような瞳で見据えてくる。
どんな要件か感づいてるくせに、わたしに言わそうとしているのだ。
むかつくけど...お願いするしかない。
「それで、遊園地でライブあるから一緒に来てほしい...です」
とりあえず敬語で言ってみる。
「俺リトスタ?に興味ねぇし、葵と行けばいいだろ」
一刀両断された。
そのまま箸をすすめる暁。
そりゃそうだ。
わたしだって暁とじゃなくて葵ちゃんと行きたいよ!!
でもさすがにお願いする立場でこんなことは禁句なことぐらいはわかる。
暁を誘う理由が、ちゃんとあるのだ。
「今回のライブに参加できるのが、カップル限定なの!!」
リトスタのふたりは、実はカップルで、たまにカップル限定のライブがあるのだ。
それが今回なのだ。
ラブソングもたくさん出してて、主に自分たちふたりのことを描いているみたいで、すごくリアリティーがあるんだ。