イケメン悪魔とツンデレ美女、ひとつ屋根の下で


「だからお願い!こんなの頼めるの暁だけだから!!」


パチンッと手のひらを合わせた。


ほんとに暁だけなんだよ。

だって、男友達なんて、一人もいないし...。


「...。

無理」


間を置いて、変わらず一刀両断。


紛らわしい間を入れるな!!


「なんでよ!暁、遊園地好きじゃん!!」


小さい頃、家族ぐるみで何度か一緒に行ったことがあるのだ。


「めんどくせぇんだよ」


「わたしのためと思えばめんどくさくないでしょ!?」


仮にも小6まで一緒にいた仲じゃないか!!

しかも、現在同居している仲じゃないか!!


こういうときだけ都合よく考えるわたしもわたしだが...。


「余計無理」


よ、余計って!!

むかつくー!!


「じゃあもういい!葵ちゃんの男友達に頼むからっ!!」


わたしがそうキッパリ言うと、暁は「はあ?」と低い声を出した。


「な、なに」


「ふざけんな」


「ふざけてない!大真面目!」


だって、それくらいしか方法がない。


どうしても、ライブ行きたいから!!

< 38 / 198 >

この作品をシェア

pagetop