イケメン悪魔とツンデレ美女、ひとつ屋根の下で


次の日、土曜日の朝。


これまでの放課後は、5キロ走って終わっていたけど、今日はタイムを気にせずに走れるところまで走ってみる。


昨日寝る前にそう決めたんだ。


「暁は今日一日練習だっけ?」


朝ごはんを食べ終わった部活のジャージ姿の暁に尋ねた。


「あぁ」


まだ眠たそうにしている暁。


暁に負けじと今日はわたしもがんばろう!!


「走るのはいいけど、絶対迷子にだけはなんなよ」


思い出したように言われた。


「なっ、ならないし!子供じゃあるまいし!」


「.........」


「その沈黙とその目線やめてくれる!?」


地味に傷つくわ!!


「じゃ、部活行ってくる」


斜めがけカバンを背負う。


「あー!無視した!!」


「お前ほんとうるせぇ」


「暁、一日練習がんばってね!」


部活熱心な暁は素直にすごいと思ってるからね!


「...。

お前もせいぜい頑張れば」


「言い方!!」


そうして暁は陸上シューズを履いて部活に出かけて行った。

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