イケメン悪魔とツンデレ美女、ひとつ屋根の下で
「わたし、なにも聞いてないんだけど!!」
『メールしたじゃないのよ~』
「メールなんて届いてない!」
『ええ、一週間前にお母さん送ったわよ~、ええと...、あれ?あらやだ!未送信になってる!うふふ』
うふふ、じゃなくて!!!!
「お母さん、わたしから返信ない時点で気づいて!?」
というか、そんな大事なことメールで済ませないで!?電話して!?
『まあいいじゃないの、だって彩の家二人暮らし用じゃないのよ!』
「いやいや、それは美紅(みく)のためでしょ...!?」
美紅とは、わたしの妹のことだ。
美紅とわたしは年子で、
来年同じ女子高に入学する予定のため、二人暮らしするために最初からこのアパートを選んだのだ。
美紅のときに、また物件探しするのがめんどくさいという理由で。
『それはまた一年後に考えたらいいのよ~!
だって、暁くんも彩が通う女子高のすぐ近くの男子高に通うのよ?
それでね、なかなかいい家が見つからなかったらしいのよ!
みっちゃんに相談されたとき、お母さんひらめいちゃったの!
彩の家があいてるって!!』
みっちゃんとは、暁のお母さんのことだ。