イケメン悪魔とツンデレ美女、ひとつ屋根の下で

いいだろこれくらい




家の扉の前に着いて、暁はゆっくりとわたしを背中から下ろした。


時刻は20時をまわっていた。


「暁、お風呂...入るよね?」


今日は朝から一日練習の上に、わたしのせいで約10キロの道のりを全力で走ってきてくれて、それからわたしをおぶってまた10キロ歩いて...。


どれだけ迷惑かけたのだろう。


謝っても謝りきれないし、感謝しても感謝しきれない。


それなのに、

「お前先入れば」

なんと暁はそんなふうに譲ろうとしてくれて。


「いやいや、暁が先に入って!?」


さすがに申し訳ないよ!!


「俺は風呂より、腹減って死にそうなんだよ」


暁はそう言って若干ふらつきながらキッチンのほうへと向かっていった。


そうか、そりゃそうだよね...。


「じゃ、じゃあ一瞬で出るから!ごめんね、ありがとう!」


わたしは右足首を引きずりながら、脱衣場に移動しお風呂に入った。

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