イケメン悪魔とツンデレ美女、ひとつ屋根の下で
こ、これはさすがにまずいんじゃ...!?
わたしは身の危険を感じて起き上がろうとするのに、暁はわたしの後頭部をがっちりホールドして今度は自分の胸にとじこめた。
暁にこんなことされるのは初めてで、もう、なにがなんだかわからない。
「暁、いい加減にして...!!眠いなら自分の部屋で...っ」
「...お前のせいで疲れてんだよ......癒せ」
そんなふうに痛いところを突かれると、わたしはもうジタバタできなくなる。
「癒せって......」
そんなの、どうしたらいいのかなんてわからない。
わからないよ。
お風呂あがりの暁の熱があまりに熱くて、全身が火照りそうになる。
大きな肩、腕、男らしい胸板。
暁なのに...暁じゃないみたい。
まだ高校一年生なのに...
すごく、すごく男の人、だ...。
「...このまま...」
そのとき頭上で寝かけるような呟きが聞こえてきたと思ったら、
それはやがてスースーと寝息に変わっていった。
シンとした部屋の中、自分の心臓の音がやけにうるさく感じた。