イケメン悪魔とツンデレ美女、ひとつ屋根の下で


5月15日ーーマラソン大会当日。


降水確率が50%だったため、延期になるかと思われていたが、天気予報なんてまったくあてにはならず、カンカンとお日様が出ている今日。


全校生徒が体育のジャージ姿でグラウンドに並ぶ。


「彩ちゃん!ガチガチすぎ!!リラックスリラックス!!」


ボーッとしすぎて一点を見つめていたら、隣の葵ちゃんにそう突っ込まれた。


わたしはハッとして表情を緩ませた。


「緊張するけど...っこれまで練習してきた成果を発揮する!!」


口にすることで、より力が沸いてくる気がする!


「うんうん!!彩ちゃん、本物の陸上選手みたい!!」


身長が高く手足も長いため、そして陸上選手が履いているようなシューズだから確かにそう見えるかもしれない。


暁と一緒に買いに行ったこのシューズ、ほんと高かった!!


陸上選手はこんな高いシューズを履いてるんだなあ。


でも、ほんとに走りやすい。


暁に怒られたスニーカーとは、同じ靴とは思えないほど。


だから買ってよかった!!


『一年生は15分後にスタートします。スタート地点に並びはじめてください』


そのとき体育の先生のそんなアナウンスが流れ、わたしの落ち着いていたはずの緊張は一気に天まで上がった。

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