イケメン悪魔とツンデレ美女、ひとつ屋根の下で
落ち着いて、暁から教わった運動前のストレッチを始めた。
ストレッチもせずに走っていたわたしを、暁は鬼のような形相で怒ってきた。
だけど、教え方はめちゃくちゃ丁寧で細かくて、怖いのやら優しいのやらだった。
“落ち着いて走れ。俺が特訓してやったんだ。できねぇわけねぇだろ”
今日の朝、家を出るときに言ってくれた暁の言葉。
自信を持って走れ。
暁、そういう意味だよね?
自分を信じて走ったらいいんだよね。
わたしなら、できる!
パンッ!というピストルの音とともに、1学年300人が一斉にスタートした。
わたしはゴールを目指して走り出した。