イケメン悪魔とツンデレ美女、ひとつ屋根の下で
「...はあっ」
携帯電話とお財布だけ持って飛び出ちゃったけど、
当然......行くあてなんてあるわけない。
だけど、飛び出さずにいられないくらい、わたしはむかついていた。
それはアイツの態度!!
だってさ、まだ、お願いしますっていう姿勢でやってくるなら1兆歩譲って部屋をひとつ譲ってやってもいいよ!?
なのにさ、アイツの態度ときたらほんっとあったまに来る!!
アイツが引っ越す前、わたしとアイツの実家は隣同士だった。
だから小さいときからなにかにつけて家族ぐるみで仲良しで。
親同士は仲いいけど、わたしたちは仲良し......だったっけ?
忘れた。
仲良しのことなんてあったのだろうか。
わたしの記憶に残っているのは、アイツにいじめられた記憶のみ。
いじめって言っても、小さい子のいじわる、みたいなかんじだったけどさ。
わたしはそのとき思ったんだ。
コイツは悪魔なのか?って。