イケメン悪魔とツンデレ美女、ひとつ屋根の下で



『さあ、どのカップルが当選したのでしょう!!前に出て来てくださーい!!』


運営者がマイクでそう促すのに、だれもいっこうに動こうとしない。


もうずっと辺りはザワザワとしているけれど、よりいっそう「だれだれ?」「いいなー!!」とみんな騒いでいる。


「当選した人たちいいなあ。ちなみに暁は何番だったの?」


「...」


反応のない隣の人物。


「暁?ちょっと見せて!」


わたしは暁がポケットにしまった引換券をスッと引き抜いた。


「......んぎゃ!?」


目に飛び込んだきた数字に開いた口が塞がらなくなった。


「なんつー声」


「ちょ、ば、はやく言ってよ!!まさか黙ってるつもりだったの!?ありえない!!ほら、はやくステージに行くよ!!」


「なんで俺が」


「だってカップル限定の参加なのに、わたし一人だけ出たらおかしいでしょ!?」


暁の腕をグイグイと引っ張った。


暁の引換券はまさかの520で、

こうしてわたしたちはステージにのぼってリトスタの二人と記念撮影をすることができた。


アキくんとリサちゃんに名前も呼んでもらえて、嬉しすぎて涙目になってしまった。


とびきり一生の記念になった。

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