イケメン悪魔とツンデレ美女、ひとつ屋根の下で


レストランを出てからは、しばらく映像系のアトラクションを楽しんだ。


食べたばっかりのあとに激しいのに乗ったら、大変なことになっちゃいそうだったから。


お腹が落ち着いてきたあとは、バリバリ激しいやつに乗ったんだけどね!!


レストランを出てから約2時間後、目に飛び込んできたチュロス売り場にわたしは惹き付けられた。


「わたしチュロス食べたい!暁も食べる?」


「あぁ」


数名の最後尾にわたしたちは並んだ。


「あれ...?

暁、ごめん!さっきのロッカーにハンカチ置いてきたみたい」


ふと、カバンのなかにハンカチがないことに気がついた。


さっきの空中ブランコで、ロッカーに荷物を預けたときに、手に持っていたハンカチをカバンの下に置いたことを思いだした。


カバンだけとって、ハンカチのことはすっかり忘れてしまっていたんだ。


「ったく。俺取りに行くからお前並んでろ」


暁はそう言って少し向こう側にある空中ブランコに目をやった。


「え?逆じゃない?」


自分が忘れたんだから、自分で取りに行け、とか言いそうなのに。


暁、優しくない!?


どしたの!?


「...お前、ここに戻ってこれねぇだろ」


わたしの思っていることを見透かしたように、毒を刺してきた。


「うっ」


何も言い返せなかったので、ありがたく暁に取りに行ってもらうことにした。


「ちゃんと大人しく並んどけよ」


「それはできるってば!!」


大人しくってなに!?


ひとりで騒ぐわけないでしょ!!

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