イケメン悪魔とツンデレ美女、ひとつ屋根の下で


わたしは4番目に並んでいて、ほどなくして順番がやってきてシナモンチュロスを2つ購入した。


暁が戻ってくるまでキッチンカーの隣で大人しく待つ。


チュロスとか遊園地に来たときしか食べたことがない。


苺とかチョコとかたくさん種類があったけど、結局シナモンが一番おいしいと思う!!


暁、はやく戻ってこないかなぁ~。


「ねえ、お姉さんひとり?友達と来たのー?」


そのとき、正面から男の人二人組がわたしに話しかけてきた。


おそらく大学生と思われる。


...もしかして、ナンパ?


わたし、まだ高一なのに...。


背も高いし、顔も大人びてるし、今日の格好は特に大人っぽく見えるだろう。


じゃないとふつう高校一年生に話しかけてくるわけはない。


「えーっと...友達です...」


人見知りを発揮してしまい、小さな声で目線を外して答えた。


無視してここを立ち去る勇気はなかった。


「え?まじ?絶対彼氏だと思った!お姉さん超美人だから声かけてよかったわ~!」


「友達は今どこに行ってるの?」


「わ、忘れ物を取りに...」


「よかったら四人でまわらない?」


グイグイと二人組のペースに飲み込まれる。


「えっと...」


うわ、どうしよう。


こんな堂々とナンパされたことなんてなかったから、どう返していいのかわからない。


「お姉さんまじで綺麗だよね!」


「今まで見たなかでダントツ美人」


あはは...それは一応ありがとうございますなんだけども...。


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