イケメン悪魔とツンデレ美女、ひとつ屋根の下で
「とりあえず、友達戻ってくるまで待ってようか!」
そんなふうにもう四人でまわる前提かのように話してくる男の人。
絶対、女の子の友達って思ってるよね...。
「あ...暁」
少し先にハンカチを握りしめた暁がこちらに向かってきているのが見えた。
「アキちゃんっていうの?どんな子ーー」
男二人組は期待の瞳で後ろを振り返った。
そこには、悪魔みたいな形相をした、二人より断然背の高い暁が立ちはだかっていた。
「お前、ナンパされてんの?」
暁はまるで男の人たちなんて見えていないかのようにわたしにそう声をかけた。
「た...たぶん」
「大人しく待っとけっつったろ?」
クイッと軽くわたしの腕を引っ張って、自分のほうに引き寄せた。
そして男二人組なんて放ってそのまま歩きだした。
後ろからは「友達じゃなくて彼氏かよ」「彼氏、あの余裕やばくね?」なんて声が聞こえてきた。