イケメン悪魔とツンデレ美女、ひとつ屋根の下で
「ちょっと、暁!?」
なに名前と電話番号と住所書いてんのさ!!
「べつにいーだろ、ここで。他のところ探すのめんどくせーよ」
言いながら、ほかの項目もあっという間に埋めていく。
わたしだってめんどくさいよ!?
でもでもでも......シングルルームだよ!?
てことは、それなりに狭い部屋をふたりでだよ!?
しかも、ベッドもひとつだよ!?
そんなの......無理っ!!!!
「っじ、じゃあ、暁はここに泊まれば!?わたしは別のところ探ーー」
ホテルから出ようとするわたしの腕を、糸も簡単に捕まえる。
「たのむから、やめてくれ」
真面目な表情に足が止まる。
「お前ほど危なっかしいやつは、いねぇんだよ」
馬鹿にするわけではなく、そんな心配そうに言われると、わたしの足なんてあっという間に受付のほうへ戻ってしまうのだ。
そして大人しくチェックイン用紙に名前を記入したのだった。