イケメン悪魔とツンデレ美女、ひとつ屋根の下で


ポチャン...


「...わたしばっかり意識してる...」


露天風呂につかり、大きなため息をつく。


お風呂はとっても気持ちがいいのに、快く気持ちよさだけを胸いっぱいに感じることができない。


別にさ、暁が好きとかそんなんじゃないよ!?


でもさ、一応意識くらいするでしょ!!


そしてなによりむかつくのが、暁はいたって冷静なことだ。


暁は...わたしのことなんて、妹みたいにしか思っていないのであろう。


危なっかしい、子供みたいな。


実際そういうように言われているし...。


わたしだって、ピチピチの女子高生なのに。


今日だって、一応超美人って言われてナンパされたなのに。


それなのに、暁はわたしのこと、ちっとも“女”としてなんて......。


そう思うと胸の奥がチクンと音をたてた気がした。

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